HSPとは、『Highly Sensitive Person』の略で、日本語では「繊細な人」「敏感な人」と訳されることが多いです。
90年代に、エレイン・N・アーロン博士の研究によって名付けられ、「人より繊細で敏感な気質の人」を指します。
このHSPは5人に1人はいると言われています。
HSPとは?繊細な人・敏感な人の特徴

冒頭でも説明しましたが、「Highly Sensitive Person」の頭文字をとったもので、「人よりも繊細で敏感な人」のことを言います。
「繊細な人」とは例えばどういう気質なのかというと…
・他人の感情が自分にも影響する
・相手の表情を読み過ぎてしまう
・他人が気にならないことが自分は気になる
・いつも最悪を想定してしまう
・とにかくいろんなことに気がついてしまう
このような例が挙げられます。
そして、このように繊細で敏感な性格というのは、とにかく心も頭もどっと疲れてしまい、「生きづらいなぁ」と感じてしまうことが多くあります。
あなたはHSP?チェックリストで調べてみよう

まだ自分は本当にHSPかどうか分からないという方もいると思うので、ぜひこちらのチェックリストを活用してみてください。
こちらは、エレイン・N・アーロン博士著の「ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。」から借用したものです。
次の質問に、当てはまれば「はい」、当てはまらなければ「いいえ」で答えていきます。頭ではなく心が感じるままに答えてください。
- 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
- 人の気分に左右される
- 痛みにとても敏感である
- 忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃げられる場所に引きこもりたくなる
- カフェインに敏感に反応する
- 明るい光や、強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されてやすい
- 豊かな想像力をもち、空想に耽りやすい
- 騒音に悩まされやすい
- 美術や音楽に深く心動かされる
- とても良心的である
- すぐにびっくりする(仰天する)
- 短期間にたくさんのことをしなければならないとき、混乱してしまう
- 人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐに気づく(たとえば電灯の明るさを調節したり、席を変えるなど)
- 一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
- ミスをしたり物を忘れたりしないようにいつも気をつける
- 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにいつも気をつける
- あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
- 空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
- 生活に変化があると混乱する
- デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
- 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
- 仕事をするとき、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
- 子供の頃、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた
「はい」が12個以上あるとHSPの可能性がとても高いです。
12個当てはまらなくてもHSPの傾向にあると言えるので、日頃の自分の行動や感情に目を向けてみるのが大事だと思います。
また、HSPに関する本も今はどんどん出てきているので、実際に本を読んでみるのも良いと思います。
「自分がHSPだと知って安心した」と言っているHSPの方や、繊細さんはたくさんいます。
HSPと知ることでラクになることもあると思うので、ぜひチェックしてみてくださいね。
HSPに共通した特徴「DOES」

HSPには先ほどのチェックリストのようにたくさんの傾向がありますが、HSPの方なら必ず持っていると言われる4つの特徴があります。
それはDOESと呼ばれており、
【D】深く処理する ( Depth of processing)
・与えられた情報に対して見えないところまで分かってしまう
・物事の本質を見抜く
・これから何が起こるか予測する先読み力がある
【O】刺激に敏感に反応する(Overstimulation)
・人混みに行くと疲れる
・大きい音(クラクションや電車の音)が苦手
・注意されたことや、失敗したことに対して深く落ち込み続ける
【E】共感性が高く、感情に強く影響する(Empathy and Emotional responsiveness)
・他人が怒られて居る場面をみて自分まで怒られてる気分になる
・負のエネルギーを持っている人に感情が持っていかれる
・その人の雰囲気や口調から、いつもと何かが違う違和感を感じ取る
【S】感覚が鋭い(Sensitivity to subtitles)
・少しでも漂うタバコの煙りに反応する
・光があると眠れない
・季節や天気の変化に敏感で気分が左右されやすい
このような特徴があります。
この4つ全てが当てはまるとHSPとされており、逆に1つでも当てはまらないとHSPではないとアーロン博士は言っています。
それほどこの4つの特徴は大事な指標なのですね。
自分が本当にHSPかどうなのかを確認したい場合には、この4つのDOESを参考にしてみると良いと思います。
HSPは病気ではなく気質

「なぜこんなに生きづらいのだろう?」「よく不安な気持ちになってしまって辛い…」「真面目すぎるとか心配性だって言われる」など、HSPさんはこのように悩むことがよくあるのですが、知っていて欲しいのはHSPは病気ではなく、気質だということです。
鬱や不安障害などは後天的な病気ですが、HSPは先天的な気質。
気質というのは中々変えられるものではないので、少しずつHSPである自分を知り、受け入れていくことが大事だと思います。
私も最初は難しかったのですが、日常でHSP気質を発動している時は「そういう性質だからそう感じるのも仕方ない」と受け入れています。
そうすることで少し安心した気持ちになれます。
「なんでこんなに悩んでしまうんだろう」「なんでこう感じてしまうんんだろう」と思うことが日々あると思いますが、それはあなたの気質。
そこは悩まなくていいところなのです。
まずはHSPを知ろう!そして受け入れていこう

もし今あなたがHSPであると知ったなら、まずはHSPについていろいろ調べたり、本を読むことをおすすめします。
私は自分がHSPと知った時にとても安心して、「何か解決法があるかもしれない!」と嬉しくなりました。
HSPとはどういうものなのかを知ることで、その対処法も知ることができます。
また、HSPであることに悩む方は多いですが、HSPというのは悪いことばかりではありません。
HSPだからこそ持っている長所もたくさんあります。
HSPの長所を活かしながら生きていくことが、優しく、あたたかい、生きやすい人生を送ることに繋がってきます。
HSPのあなたが少しでも気が楽になりますように。